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弥勒寺 様

宮城県登米市

工事を行ったのは、東日本大震災の一年前でした。近い将来、宮城県を巨大地震が襲うだろうとの認識をお持ちで、地震に強い本堂にしたいとの希望によりリノベーション工事を行いました。発災したものの、震度7の直撃を受けた建物は無傷で済み、当社の技術力の高さが証明されることになりました。

弥勒寺本堂
龍洞院本堂
(平成22年1月 竣工)

工事概要

形状:入母屋軒唐破風造り
軒先:化粧タルキ仕上げ
木材:欅材、杉材、松材、ひば材
屋根:改良本瓦葺き
建坪:60坪
工期:平成21年3月~平成22年2月(11ヶ月)

1.施工前

既存本堂
本堂は築50年と比較的新しいものの基礎が無く、年月を経て建物の傾きが顕著になってきていました。
古い正面建具の状況です。雨漏りもひどく、これから予想される宮城県沖地震に耐えられるような本堂へと耐震改修することになりました。

2.調査

調査
床下に入り土台の痛みを調べます。
調査
基礎が無く、天然の束石に柱が乗っている状態です。
調査
小屋裏に入って調査をおこないます。

3.解体工事

屋根・壁・床を解体しました。

4.上舞(あげまい)工事

上舞工事

屋根瓦と向拝を解体したのちに、本堂本体の上舞(あげまい)工事をおこないます。

上舞
土台を重量鉄骨で固定し、少しずつジャッキアップしていきます。枕木を重ねながら約1.8m持ち上げました。
上舞工事
その後、本堂を前へ約20m引っぱり新しいベタ基礎の準備をします。基礎が完成すると、本堂を元の位置に戻します。

5.基礎工事

湿気防止の為、ポリフィルムを敷き詰めます。

ベタ基礎が完成しました。

6.材料検査

弊社資材置き場にて、ご住職、建設委員の方々と材料検査です。
柱、虹梁に使う予定の木材を確認しています。

7.木材加工

木工事
工場での木材加工状況をご覧になりました。
『たばさみ』の加工状況です。

8.木工事

木工事
新規屋根下地を造作しています。
新規床下地を造作しています。
木工事
耐震補強用の虹梁を新たに組み込みます。耐力壁も増設し、地震に強い『通し貫工法』を用いて施工しました。
木工事
既存柱をホールダウン金物でベタ基礎にしっかり固定します。

9.仕上げ

材料検査
なかなか見ることができませんが、本堂大間の折上げ天井を造作しているところです。

10.瓦工事

瓦工事
改良本瓦を施工しているため地震にも強い造りになっています。
瓦工事
降り棟の施工状況です。
瓦工事
完成間近の本瓦屋根です。美しいですね。

11.完成

完成
完成して約1年後、東日本大震災に被災しました。震度7の直撃を受けるものの、建物は無傷で済みました。ご住職やお檀家のみなさまからも「周りの惨状を考えると信じられない。」と言っていただき、弊社が培ってきた日本建築技術の高さが証明されることとなりました。
完成
完成
弊社の宮大工が製作した、新しい須弥壇です。
完成
正面の建具です。木製ガラス戸から唐戸へと造り直し、重厚な雰囲気になりました。
完成